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株式会社RETOWN HUMAN

株式会社RETOWN HUMAN
株式会社RETOWN HUMANは、「食につながる人々の新しい生き方を提案すること」をミッションとし、飲食業の人材派遣・紹介のほか、短期間で現場レベルの技術修得を可能にする飲食人大学、調理師資格取得のための指導協会の運営など、「食」に携わる人々への様々な支援活動に取り組んでいます。
2016年4月には、飲食業界での転職支援サービス「飲食人キャリア」を開始しました。
飲食業界の離職率の高さという大きな課題
株式会社RETOWN HUMANでは、食産業に携わるすべての人々を「飲食人」と定義し、食文化の担い手としてとらえています。同社の「飲食こそが日本を元気にできる」という理念は、食文化の担い手である「飲食人」がいきいきとそれぞれの職場で活躍することで実現できるという考えに基づいています。
こうした理念をかかげる中で、経営企画室 メディア事業部部長・中岡 麻緒 氏は、ひとつの大きな課題に悩んでいました。
「なぜ飲食業ではなかなか職場に定着できないのか、なぜ転職を繰り返してしまうのか」
中岡氏は、人材派遣部門でキャリアコンサルタントとして多くの求職者と接した経験から、他の業界と比べてひときわ外食産業の離職率が高いことに気づいていました。
新しいメディアの立ち上げに際して、この課題の解決につながるようなものを、との考えから、これまで転職や人材派遣領域でのサービス企画・開発の実績のあるギルドワークスへの依頼がありました。
株式会社RETOWN HUMAN 経営企画室 メディア事業部部長・中岡 麻緒 氏
私たちは目的達成のための想いを非常に強く持っておりましたので、価値探索の過程で、ギルドワークスと激しい議論になることもありました。
ただ、このことはとても新鮮で、発注側・受注側というような関係を越えて強くぶつかるからこそ、両者の思っていた以上のサービスにたどりつけるのだと感じました。
また、何となくの感覚が、ひとつのストーリーとしてくっきりと明確になり、インタビューなどから導き出した結果を、社内外でサービスをアピールする際の筋書きとして利用できたこともよかったです。
なぜ職場とのミスマッチが起こるのか?
飲食業界で働く人へのインタビュー
RETOWN HUMANの転職支援サービス「飲食人キャリア」は、飲食業界に特化した転職サービスやメディアとしては後発にあたります。このため競合調査を行うと同時に、飲食業界で働く人たちが未だどのような課題を抱えているのか、東京、大阪などでインタビューを行いました。
現在のサービスで解決できていない課題は何か、といったアプローチができるのは、後発サービスならではの利点です。また、多くのサービスがありながらも解決されていない課題は求職者にとってもっとも解決したいものと考えられ、ビジネス観点からいっても、RETOWN HUMANが提供すべきソリューションだといえました。インタビューにおいても、この面を重点的に深掘りしました。
インタビューを通して見えてきたのは、求職者にとっては、求人情報と現場の実情のギャップが大きく、結果として離職につながってしまうという現状でした。
転職を繰り返していた求職者の多くは、求人情報サイトや求人情報誌で見かけた求人情報を見て「なんとなく良さそう」「なんとなく楽しそう」といったような感覚で、どんな人たちが同じ職場にいるのか、労働条件が自分の希望とマッチしているのかを見定めずに応募・就職してしまい、入社後のギャップを埋めることができないまま、結局退職してしまっていました。そのようにして転職を繰り返すことで、在職期間が短いためなかなかスキルを身につけられず、キャリアアップのはずの転職がキャリアダウンになってしまっているのです。
“キャリアコーディネーター”の存在
このように職場とのミスマッチによって半数近くが1年以内にやめてしまうといわれる高い離職率の中にあって、ひるがえって、RETOWN HUMANの紹介した人材の定着率は94.6%(※)を誇っています。この定着率の高さの理由には、企業と求職者の橋渡しを行うキャリアコーディネーターの存在がありました。
RETOWN HUMANのコーディネーターは、求職者に求人情報をすぐ紹介することはなく、求職者に対してしっかりヒアリングを行い、どんなキャリアで、どんな適性を伸ばしてこの後の数十年を「飲食人」として生きていくのか、キャリアプランをしっかりと作りこんだ上で適切な職場の紹介しています。
ギルドワークスはキャリアコーディネーターにもインタビューを行いました。求職者、コーディネーター双方へのインタビューの結果、オンラインでもコーディネーターという”人”とのコミュニケーションを転職までのプロセスに生じさせることによって、転職先とのミスマッチを防ぐことができるのではないかと考えられました。

このようにして、インタビューから利用者の課題を洗い出し、解決するための仮説をたて、さらに検証を加えていくこの手法は、「価値探索」と呼ばれる、ギルドワークスが行っているサービス企画です。
求人情報ではなく、コーディネーターとのコミュニケーションを中心に
価値探索にひきつづき、開発、UIデザインもギルドワークスで担当しました。
「飲食人キャリア」には、求人情報はあえて掲載していません。開発で実装した機能は、価値探索で抽出した求職者にとっての価値となる、「コミュニケーション」を軸にしたものです。
また、デザインにもRETOWN HUMANのこだわりが活かされています。飲食業界で働くことは、ともすればきつい、厳しい、といったような偏見を持たれがちではあり、そうした一面があるものの、「飲食人」として誇りを持って働く人をモデルに、「こうなりたい」という憧れを抱いてほしいという思いがありました。憧れがあるからこそ、自分のキャリアについて向き合えるからです。
コンセプトムービーを全面に押し出したり、味気ない説明になりがちな手続き内容を動画にしたりと、飲食業界の人に受け止められやすいコンテンツを模索しながら制作が進められました。
ファーストステップとしての「飲食人キャリア」
2016年4月に「飲食人キャリア」がリリースされました。利用者の反応を見ながら、コーディネーターとのチャットをはじめ少しずつ規模や機能を拡張していっています。
RETOWN HUMANは、「求人情報を提供するだけ」「仕事を紹介するだけ」ではなく、その後も飲食業界に携わる人々のキャリアを見守り、寄り添っていけるようなプラットフォームづくりを目指しています。「飲食人キャリア」はその第一歩という位置づけにあり、これからも「飲食人」としてキャリアを積みたい人々を支援していきます。
プロジェクトを担当して
担当:上野 潤一郎
飲食業界での転職は求人情報だけでは適した仕事を見つけられない、飲食人としての誇りを持てる仕事を見つけて欲しいというRETOWN HUMAN様の想いが本サービスの根底にあります。
そのことから飲食業界で働く方の目線での動画から始まり、キャリア診断をすることができ、コーディネーターに相談できる流れを通じて飲食業界で働く方々への仕事を見つける価値の提供を目指しました。
飲食業界の方でなくても、トップの動画は熱いものを感じられるのではないかと思いますので、ぜひ一度見てみてください。
飲食人キャリアもギルドワークスが提供する仮説検証サービス「価値探索」と、動くソフトウェアを反復的に開発する「アジャイル開発」で、サービスローンチまで努めました。
本文中に記載の内容は掲載時点のものであり、閲覧時に変更されている場合があります。
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