株式会社オズビジョン様:新しいニーズを掘り起こす、グロース施策としての「ハピタス」SPサイトリニューアル

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株式会社オズビジョン

株式会社オズビジョン
ポイントメディア事業を手掛ける株式会社オズビジョンは、2007年よりポイントサイト「ハピタス」を運営しています。
会員数160万人を超える「ハピタス」は、2016年にはValue Commerce サミット「エンタテイメント部門 年間MVP」や、LinkShare Japan Award 「Publisher of the Year 2015」などを受賞している人気サイトです。

「ハピタス」の可能性をさらに広げたい

株式会社オズビジョンが2007年から提供している「ハピタス」は、数多くあるポイントサイトの中でも、取り扱いショップの多さ、高還元率、簡単に現金にも交換ができるなどの特長をもち、たくさんのユーザーに支持されている人気サイトです。
オズビジョンはポイントメディアにとどまらず、利用者とEC事業者の双方をより強固に結びつける「購買プラットフォーム」となることを目指しており、これまでも意欲的に新規サービスを立ち上げてきました。
こうした中で、既存メディアである「ハピタス」も現状に甘んじず、より多くの人々にハピタスを通したインターネットでの買い物を楽しんでもらいたいと考え、同社で現場コーチ価値探索による新規事業立ち上げの支援をしていたギルドワークスに、ターゲットユーザーの見直しも含めたハピタスのリニューアルプロジェクトへの参画を打診しました。

株式会社オズビジョン 端野 一郎氏

既存のユーザー様の使い勝手を維持しつつ、このようなサービスに馴染みのない方々にも価値を理解してもらえるようなサイトにリニューアルすることを目指していたのですが、この規模のリニューアルとなると、コンセプトの取りまとめや実際のプロジェクト進行などの面で社内には十分な知見がありませんでした。
そこで、以前から戦略立案や制作開発の現場コーチとして関わっていただいていたギルドワークスさんにお願いすることになりました。
かなり短期間でリリースしなければいけない状況だったのですが、機能や品質などと納期の優先順位をしっかりと定め、想定外の自体が発生した際にもそこに立ち返ることで迷いなく開発を進めることができました。

仮説検証でもっとも重要な、「ユーザーに聞く」ことに立ち戻る

インターネットで買い物をする時に、楽天、Yahoo!、イオン、ビックカメラなど、いつものショップで商品を購入する際に「ハピタス」を経由すると、各ショップのポイントとは別に、ハピタスポイントが貯まります。日々のお買い物でポイントが2倍たまり、効果的に使うことで現金や、マイレージなどに利用できるため、インターネットで買い物をする人には便利なサービスです。
これまでの主要なユーザーであるアフィリエイターには還元率の高いクレジットカードの申し込みなどが好まれていましたが、リニューアルプロジェクトを始めるにあたり、「インターネットでのお買い物」という視点に立ち戻りました。それには、既存ユーザーの調査から、インターネットで日常的に買い物をする「専業主婦」層にこそ、ハピタスがマッチするのではないかという発想がありました。
主婦層に「ハピタス」が受けいられられるかどうかを確かめるために、オズビジョンとギルドワークスでは主婦層を中心に、インタビューを行いました。
普段の買い物で工夫していることや、インターネットで買い物をしているのか、「ママ友」といったようなグループでの情報交換がどのように行われているのかなど、「買い物」にまつわるシーンを深掘りしていきました。これによって、「ふだんの買い物がお得になる」という「ハピタス」のサービスは十分に受け入れられることが確かめられました。
リニューアルにあたっては、PCサイトとスマートフォンサイトがありましたが、忙しい主婦の場合、PCで買い物をする時間がないこともわかり、まずはスマートフォンサイトに絞って行うことが決定しました。
デバイスを分けて利用者に最適化し、効果を図るというリニューアルの方法をはじめ、「ハピタス」のスマートフォンサイトリニューアルは、小さな仮説検証が繰り返して行われたプロジェクトです。

月1回のインタビューで”確からしさ”をかためていく

「主婦層」を新たなユーザーとしてサービスアプローチを考えるにあたり、インタビューでよく使われてることがわかったサイトやサービスを調査し、ベンチマーク分析を行いました。これにより、「ポイントが貯まる」「お小遣い稼ぎ」ではなく、「日々の生活が少し良くなる」「少しお得になる」というアプローチが有効だと考えられました。

ユーザープロセスはカスタマージャーニーマップによって見出しました。「ハピタス」をどのように知り、いつも使っているECショップをどのように探し、また、「ハピタス」が便利だと体感してもらい、使いつづけてもらうためには何を提供すべきかのかを見出しました。
「ハピタス」のように日常的に使えるサービスでは、利用者にいかに使い続けてもらうかが重要でした。

UI設計、開発マネジメントを支援し短期間でのリリースを実現


UI設計においても、仮説検証の考え方をもって、利用者である主婦の方々へのインタビューを繰り返して進めていきました。
まずは手描きの“ペーパープロトタイプ”を見てもらい、「サイトに掲載されている情報が自分の望むものか」、「適切な構成になっているか」を検証しました。検証結果をもって修正を加え、ワイヤーフレームを作成し、ワイヤーフレームもレビューの上でビジュアルデザインを制作しました。ビジュアルデザインに至るまでに何度も検証を行っていたため、デザイン制作の段階で大きな手戻りなどはなく、スムーズに開発につなぐことができました。
アプリケーション開発はオズビジョンの内製チームによるもので、ギルドワークスは開発マネジメントを担当しました。週に一度の開発ミーティングやオンラインのやりとりで状況を細かくすりあわせていたほか、利用者へのインタビューにオズビジョンのエンジニアやデザイナーが参加していたため、「ユーザーがどんな機能を使いたいのか」が共有されており、短期間ながらスムーズな開発を行うことができました。

仮説検証を継続し、「購買プラットフォーム」を目指す

2015年12月7日、リニューアルしたスマートフォン版「ハピタス」が公開されました。ハピタスで新しいショップと出会える「特集ページ」を新設したほか、お気に入りのショップやサービスを見つけやすいデザインにするなど、新しい利用者に向けてわかりやすく、使いやすいものとなりました。

このリニューアルで行ったような仮説検証のメソッドを用いながら、オズビジョンでは「ハピタス」の拡張だけでなく、新たなポイント事業の立ち上げによって、購買プラットフォーム化へ取り組んでいます。

プロジェクトを担当して

市谷 聡啓担当:市谷 聡啓
多くのWebサービスと同様にポイントサイトにとってもスマートフォン向けの取り組みは重要性が増すばかりです。
今回のサイトづくりにあたっては、オズビジョン様の戦略の実現と、ユーザーの状況を踏まえた価値提案、超短期期間でのローンチを達成する必要があり、難易度の高いプロジェクトとなりました。
ギルドワークスが提供する仮説検証のフレーム「価値探索」と、仮説検証に適したプロダクト開発のあり方として「アジャイル開発」でのプロジェクト運営を行いました。

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