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株式会社インターワークス

株式会社インターワークス
株式会社インターワークスは、製造業・工場の求人情報ポータルサイト「工場ワークス」や、女性向けの人材派遣サイト「派遣Style」の運営をはじめ、医療やアパレル等、幅広い業種にわたって人材紹介や転職支援を行っています。
2016年1月からは、街のチラシがスマホアプリ上の地図から探せる新感覚の求人アプリ「ぽけじょぶ」の提供を開始しました。
株式会社インターワークスは、これまで多くの求人・転職メディアの運営や、人材紹介を行ってきましたが、「仕事探し」の新機軸となるようなサービスを検討していました。
アルバイト探しといえば同じようなサービスが多く、アルバイトをしたい人にとっては、求人メディアがいくつもあり、情報は多いものの検索してみると同じ店舗の求人ばかりが見つかったり、自分に合った条件の求人を探すことが難しい状況です。その一方で、店舗や企業にとっては、求人メディアへ出稿しても効果が見込めないという課題もあります。
「一人でも多くの求職者に仕事を提供すること」「一社でも多くの企業に良い求職者を紹介すること」を目指すインターワークスは、このミスマッチに注目しました。求職者にとっては自分の条件にあった求人を苦もなく探せることができ、店舗や企業にとっては出稿料が負担にならず、かつ多くの求職者に見つけてもらえるようなサービスを提供できないかと考え、企画の支援をギルドワークスに依頼しました。
身近なものから生まれたアイデアの芽
企画にあたっては、仮説検証プロセスである「価値探索」を行いました。これは、利用者の課題を解決し、利用者の生活に新たな価値を生み出すものを見つけるために、インタビューなどのインプットから課題を導き出し、それを解決する方策を確かめるものです。
まずは、アルバイトやパートを探している人たちの中心層である大学生や主婦にインタビューを行いました。今回は求人企業とのミスマッチがあったため、求人企業の人事担当者にもインタビューを行い、情報の提供者とその利用者の課題を徹底的に洗い出しました。
そこで見出されたのは、求職者と求人企業・店舗をつなぐ「はりがみ」でした。

求職者にとっては「細かい条件付けによる検索」ではなく「今いる場所やよくいる場所」から探せて、企業にとってははりがみさえあれば見つけてもらえます。
今回実施した価値探索がなければ、重要なテーマである「はりがみ」は見過ごされているところでした。
“探して見つける”ことから生まれる価値を最大限に広げる
このコアコンセプトにもとづき、サービスに必要なソリューションを仮説キャンバスやユーザーストーリーマッピングによって見立てていきました。
求職者にとっては自分の生活圏にマッチした仕事探しができ、企業にとっては出稿費用がなくても求人の募集がかけられるもので、ポケットに求人情報(仕事)を気軽に・簡単に持ち運べる、というイメージから、サービス名も「ぽけじょぶ」と命名されました。
地図から”なぞって探す”
はりがみを見つけるためには、これまでのような路線検索や住所検索ではなかなか「近所で探せる」ことの便利さを伝えることができません。
そこで、「地図からなぞって探す」が、「ぽけじょぶ」の大きな機能となりました。地図から探せるため、ユーザーは単純な路線検索では行えなかった、「このあたり」という微妙な場所での検索ができるようになります。この「なぞって探す」により、求人情報が見つけやすくなるだけでなく、「なぞること」のインタラクションが求人アプリにはない、新しい楽しさを生みました。
ぽけじょぶの開発においては、1週間のスプリントごとに関係者レビューをもつイテレーション開発を採用しました。ギルドワークスはエンジニアやデザイナーのマネジメントを行いつつ、週1回の定例会議において、インターワークスとの打ち合わせで機能やUIの細やかなすりあわせを行いました。
価値探索が「正しいものとは何か」を見定めるものであり、それを受けついだソフトウェア開発はいかにその「正しいもの」を正しくつくるか、ということにかかっています。開発もギルドワークスにて担当し、この「正しいもの」からぶれることなく、また、さらにふくらませる形でローンチへとつなげました。
探すことの「楽しさ」を広げていく
このサービスのもうひとつの価値は、「誰でもはりがみの投稿ができる」ということです。
多くの求人メディアでは「求職者」と「求人企業」の二者の利益が考えられていますが、「ぽけじょぶ」は「街角にあるはりがみ」を扱うアプリのため、それを探す第三者の存在が必要でした。
はりがみの投稿でポイントを獲得できるポイント制を導入し、貯めたポイントを交換できるしくみを構築しました。街を探検するような感覚で求人はりがみを探し、投稿することで、アルバイトを探している人の役に立つだけでなく、お小遣いを稼げるという付加価値が生まれたのです。求職者・求人企業だけでない楽しさや価値を創出するサービスとなりました。

2016年1月に配信を開始した「ぽけじょぶ」は、その後、提携企業による求人情報や、全国約14万件のハローワークのアルバイト求人情報など、求人件数が大幅に追加されました。リリース後の開発もギルドワークスが担当し、ポイントの交換機能をはじめとした機能拡張を行い、順調にユーザー数を伸ばしています。
プロジェクトを担当して
担当:市谷 聡啓
人材領域でのサービスづくりにおいては、「利用者=対象としたい求職者が置かれている状況を深くまで知ること」が最初に取り組むことになります。
利用者の行動と前提は、つくり手の想像を越えたところにあります。この探索のために私達は、仮説検証のフレームとして「価値探索」をご提供しました。
仮説検証での学びはプロダクトづくりに適切に活用する必要があります。ソフトウェア開発は関係者間での共通認識づくりを行いながら進めていくことになります。このプロジェクトでも「アジャイル開発」での運営を行いました。
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- 立ちあげたい事業があるが、本当に価値があるのかどうか自分で確信が持てない
- 新規事業を立ち上げなければならなくなったが、潤沢な予算があるわけでもないのでどうしたらよいのかわからない
- 企画が実現可能かどうか開発の視点を組み入れながら仮説検証したい
- はじめてのことばかりで右も左もわからない