開発チームへ組織の期待を反映させる現場コーチ

  • #開発現場コーチング

株式会社サンロフト

サンロフト様ロゴ株式会社サンロフト
静岡県焼津市に事業所をかまえ、「テクノロジーを親しみやすく」を経営理念として、民間企業や官公庁のウェブサイト制作、業務システム開発をメイン事業としながら、幼稚園・保育園をはじめとした教育・保育機関のIT化支援なども行っています。

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課題:プロダクトの生産力と品質の向上


株式会社サンロフトの自社プロダクトのターゲットは、水産加工業向けで市場としてニッチなため、これまでのやりかたやプロセスでも売上が見込めてしまう状況にありました。

これは事業活動として望ましいことではあるものの、サンロフト社には、IT活用によってクライアント企業の事業を発展させ、必要なテクノロジーを親しみやすく提供したいというビジョンがあるため、売上が見込めるからといって、社内の開発チームが新しい技術を得ようという意欲に欠けることは、大きな危機感として意識されていました。
また、エンジニアたちが前向きに学び、設計力とコミュニケーション力アップに取り組むことで、プロダクトの生産力と品質を向上させることが期待されていました。

こうした、現状に甘んじることなく、新しい技術ややりかたを取り入れ、プロダクトを改善しつづけてほしいという組織からの開発チームへの期待を現場へ反映させるために、ギルドワークスへ現場コーチの依頼をいただきました。

サンロフト社_中村様開発本部 企画開発部 中村 雄 部長

サンロフトでは、これまでも社内勉強会や、外部から講師を招いてハッカソンなど、新しいテクノロジーへの取り組みは積極的に行っていましたが、現場に戻ると従来のやりかたを続けてしまい、なかなか定着しませんでした。
必要な新しい技術ややり方を、現場での仕事につなげるために、今回、ギルドワークスに現場コーチの依頼をしました。

とりくみ:情報共有と会議の方法を抜本的に改革

何度かヒアリングを行った結果、サンロフト社には、技術を取り入れ、日常の仕事に定着させる取り組みが必要なのではないかという仮説を立てました。
会社のビジョンを体現するような開発チームのありかたに、現場のエンジニアが応えられるようになるためには、ただ技術ややりかたを学ぶだけではなく、それを日常の「現場での仕事」につなげる必要があったのです。
サンロフト社が抱えている、プロダクトや開発の課題を解決するために必要な活動を見出し、日常の仕事(プロジェクト)として取り組むべき、という提案が受け入れられ、現場コーチとして参入することになりました。

現場の課題を解決するためのとりくみ

サンロフト社での現場コーチは、2014年4月〜7月の期間で、全10回を行いました。

  • 因果関係図によるワークショップで現場の課題を洗い出し
  • ワークショップの結果、洗い出された課題の解決策を提案
  • 現場コーチとしてチームを主導

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因果関係図によるワークショップで現場の課題を洗い出し
はじめに、現場のエンジニアたちと因果関係図を使ったワークショップを行いました。エンジニアたちに共通していたのは、打ち合わせなどを行っても、サンロフト社のクライアントや、エンドユーザーのニーズがうまくつかめない、ということでした。
さらに、現場で抱えている不安や問題の可視化ができていない、という問題も見えてきました。

ワークショップの結果洗い出された課題の解決策を提案
クライアントやエンドユーザーのニーズをつかむことができていない。
また、チーム内で不安や問題の可視化ができていない。
サンロフト社の現場が抱える問題は主にこのふたつでした。これらを解決するには、情報共有のしかた、ひいてはその共有を行う会議への取り組みかたを抜本的に改革する必要がありました。
クライアントや、社内の会議を円滑に進めるには、様々なコツや、ちょっとした工夫が必要です。
現場コーチとして、サンロフト社のクライアントとの打ち合わせに同席し、準備とふりかえりをしっかり行いながら、どこに課題があるのか、どのように進めていけばいいのか、しっかりと把握してもらうところから始めました。

たとえばこんな改善の方法

クライアントとの折衝をスムーズに行い、現場と共有するために、下記のようなプロセスで打ち合わせの改善にとりくみました。

(1)打ち合わせ前
事前に会議のアジェンダを作成し、レビュー。アジェンダから想定される質問と回答を話し合い、打ち合わせの模擬。
(2)クライアントとの打ち合わせ
ホワイトボードの有効な使いかたやファシリテートを序盤はギルドワークスが行い、中盤以降はサンロフト社のエンジニアが担当。
(3)打ち合わせ後
打ち合わせ後は「ふりかえり」を行い、どのようなタスクが残っているのか、次の宿題は何を整理するほか、ミーティング中のふるまいや進めかたなどにフォーカス。

序盤はクライアントやチームメンバーとのやりとりの仕方をギルドワークスが実際にやってみせました。
その後のふりかえりではその場におけるポイントなどもティーチング。やりかたを体感してもらった中盤以降は、これまでのふりかえりを活かして、実践経験を積むために、サンロフト社のエンジニアに実際に会議やコミュニケーションをリードしてもらいました。こうして、ただ何かを教える、というだけでなく、臨機応変な応用力などを身につけてもらうようにしました。

課題の解決:自律的なチーム開発への前進

会議のやりかたが改善されたことで、チームだけでなく、クライアントとの円滑なコミュニケーションが実現
会議や情報共有についてのファシリテーションを行うことで、開発チームのスタッフが実際のやりかたを現場で体感し、その結果、お客様とのやりとりにおいてすれ違いが減り、結果として手戻りが減ったとの評価をいただきました。

それぞれが自律的に、チーム開発へ向かい、生産力と品質の向上へ
これまで、現場で起きている問題の深掘りや、解決策を考える機会を持てなかったものの、現場コーチとしてチームマネジメントに関わっていくことで、スタッフが自ら模索し、実践していくようになったということを実感されているようです。

現場コーチの意義

senior_nakamura担当:現場コーチ 中村 洋

現場コーチとして次のようなことを意識しています。
現場の方々がこれまで知らなかった、できなかった技術や考え方、道具を知り、使えるようになること。
その新しい知識を知ってそこでとどまるのでなく、未来に出てくる課題や状況に応じて、自ら考え、行動して、それらの道具を改善したり、新しい道具を手に入れる行動ができるようになること。
今回は、まずはやってみることで新しい道具を知ってもらい、次にその道具を自分達で使えるようにする、工夫してやっていけるようにしました。

お客様の声

サンロフト社代表取締役・松田敏孝氏のブログ
http://blog.goo.ne.jp/86mariners/e/9d78e67a1edebde0575e56e7bb0e5b5c

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