顧客開発に寄り添った柔軟な受託開発事例

  • #受託開発

株式会社オズビジョン

ポイントサービス「ハピタス」を主軸として運営しているオズビジョン社よりお声がけいただき、新たな収益の柱とするための新規事業におけるサービス開発を請け負いました。

なぜギルドワークスによる開発が必要だったのか

今回の案件は、オズビジョン社の新規事業における「ユーザーが価値を感じられる実用最小限のプロダクト(MVP:Minimum Viable Product)」の開発をしました。

オズビジョン社では新規事業において「顧客開発」を忠実に進めています。「顧客開発」とは、作ろうとしているプロダクトがユーザーの真のニーズを満たしているかの検証を繰り返すことです。ユーザーの抱える課題とその解決策を仮説として捉え、ユーザーへのインタビューによって、その仮説の発見と検証を繰り返すことで、ユーザーが本当に求めるものを見定めます。今回は、この「顧客開発」のプロセスに寄り添った、柔軟な開発をする必要がありました。

リーンスタートアップにもアジャイル開発にも明るいギルドワークスなら、この「顧客開発」に寄り添った開発が可能でした。

具体的には

実際に行なったこと

価値探索による「実用最小限」の特定

  • インタビューの実施
  • サービスに対するユーザー要求の特定
  • ユーザー要求に対する開発項目の整理

顧客開発に寄り添ったプロダクト開発

  • 開発項目の変化に寄り添う反復的開発
  • 週次のFace to Faceのミーティング
  • オンラインによる情報共有

価値探索による「実用最小限」の特定

まずは、オズビジョン社と一緒に、ユーザーにとっての価値を探索していきました。

ギルドワークスではこのような活動を「価値探索」と呼んでいます。「価値探索」では、クライアントと一緒になって、ユーザーにとっての価値を探索し、その価値に対して何を優先して開発すべきかを特定し、開発につなげています。「価値探索」では、以下のようなことを行なっています。

インタビューの実施:はじめに「ECサイトYを使うユーザーがほとんどだろう」と想定し、ユーザーが普段使うECサイトをインタビューしてみると、実はECサイトXを使うユーザーが多かった。結果として、開発の要件を特定しなければならない初期段階において開発対象が大きくかわるという、通常の開発では大きな課題となってしまうことがありました。

サービスに対するユーザー要求の特定:また、オズビジョン社の期待もたくさんあるため、やりたいことがたくさん出ます。ユーザーストーリーマッピングやミーティングでの議論を通じて、その中から何がユーザーにとってコアとなる価値なのか、ユーザー要求を特定していきました。

ユーザー要求に対する開発項目の整理:特定したユーザー要求に基づき、何を開発すべきか、何を優先して開発すべきかを整理して、MVPの開発に取り組みました。

これらは初期段階にのみならず、MVP開発と並行して行なっていきました。「価値探索」を進める中でギルドワークスが何度かお伝えした「それって本当に今必要ですか?」「検証は終わっていませんよね?」といった問いかけは、驚かれたかと思います。

    ユーザーの行動から必要な開発項目を特定していました

顧客開発に寄り添ったプロダクト開発

価値探索」および「顧客開発」に寄り添ったプロダクト開発を進めるために、以下のようなことを実践し、開発のリズムを作っていきました。

開発項目の変化に寄り添う反復的開発:MVPを作って終わりではなく、こちらが想定した価値が伝わるのか、ソリューション検証のためにMVPを元にしたインタビューを行いました。通常、ちょっとしたライティングやボタン位置変更などはよくある話なのですが、このプロジェクトでは顧客へのインタビューでの検証結果を重視していたため、前週まで想定していた開発内容が変わってしまうこともよくありました。

週次のFace to Faceのミーティング:変化した仮説に追随したい、開発のスピードを緩めるのは避けたい。互いにビジョンを共有しながら、現在検証しようとしている仮説は何か、現在の開発はどんな状況なのか、毎週Face to Faceのミーティングを重ねました。ミーティングでは前週までに開発した内容のデモを行なって認識を揃えた後、その週以降で開発すべき内容を特定する形で進めました。

オンラインによる情報共有:週次のミーティングを有効利用するために、Pivotal Tracker、Basecampなどのツールを使い、随時オンラインでの情報共有をしていきました。実はこのプロジェクトには地方在住のエンジニアも含まれていました。週次ミーティングに加えてオンラインによる情報共有を行なったことで、このようなメンバーを交えた開発が可能になりました。

    反復開発

    オンラインによる情報共有を行なっていました

この企画を担当して

今回、オズビジョン社からは、次のようなコメントをいただきました。

  • 全員が同じゴールを見ていて、リモート開発であることのデメリットなく、一体感を持って進められた。
  • イテレーションを区切ることで、PDCAが回っていた
  • 顧客開発からソフトウェア開発の流れができていた

今回の企画では、プロダクト開発側の柔軟な対応を求められる場面も多くありました。一般に、度重なる開発要件の変更はプロダクト開発への負の影響が大きく、正直に言うと厳しい場面がありました。しかしながら、同じゴールを共有して一体感を持って進め、会社を超えた1つのチームを形づくったことで乗り越えられました。1つのチームとは言っても、お互い妥協するのではなく、オズビジョン社は事業の責任者として、ギルドワークスは開発のプロフェッショナルとして、常に緊張感を持ちながら意見を出し合って進めることができたことで、よりよいプロダクトにすることができたのではないかと考えています。

株式会社オズビジョン: http://www.oz-vision.co.jp/

顧客開発についての参考記事:http://enterprisezine.jp/bizgene/detail/4153

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