本記事は ギルドワークスAdvent Calendar 10日目の記事です。
はじめに
ギルドワークスでは、Ruby on Railsで記述したプロジェクトが多く存在します。
その中で定番のGemfile構成(ライブラリ構成)があります。毎回全く同じ構成というよりは、都度新しいものを吟味しながら取り込もうとしていますが、1年ほど前から利用している active interaction が面白かったので紹介します。
active interactionとは
active interaction は、 GoFのcommandパターン をベースに、ビジネスロジックを実装するためのクラス構成を与えるgemです。
普段だと、 contorller や model に書いていたり、あるいはそれぞれの ActiveSupport::Concern で書いているロジックになっているものだと思われます。それを、active interactionのBaseクラスを継承したクラスをつくることで、見通しがよくなります。(ギルドワークスでは新たな service層として置いていることが多いです。
どのように使うか
呼び出し側
呼び出し側=controller側では、定義したクラスの「 run() 」メソッドを呼び出します。「 run() 」の引数には、ActionContollerのoaramsをほぼそのまま渡すか、対象となるモデルの情報を載せたりします。以下、Accountモデルの更新(Update)の例です。(サイトのものを改変しています。
def update # 引数inputs(hash) の整理 inputs = { account: Account..find by id(params[:id]) }.reverse_merge(params[:account]) outcome = UpdateAccount.run(inputs) if outcome.valid? redirect_to(outcome.result) else @account = outcome render(:edit) endend
呼ばれる側
呼ばれる側は、 ActiveInteraction::Base を継承したクラスを実装します。
呼び出し側は「 run() 」でしたが、実装するメソッドは「 execute() 」です。
class UpdateAccount < ActiveInteraction::Base object :account string :first name, :last name, default: nil validates :first name, presence: true, if: :first name? validates :last name, presence: true, if: :last name?
def execute account.first name = first name if first name? account.last name = last name if last name?
unless account.save errors.merge!(account.errors) end account endend
クラスの先頭に書いてあるobjectやstringは、inputsで渡ってくる引数の宣言です。ここに記載している引数は、デフォルトで存在チェックなどを実施します。Rubyはあまり型を意識することはない動的型付け言語ですが、静的型付け言語のような宣言的記述をするのが特徴です。
validates は、 ActiveRecord::Model と同じものが利用できます。これもひとつ実装の見通しがよくなっている理由かと思います。
executeが実際の処理内容です。
run()が呼ばれてexecute()が実行されるの時点で、既に「指定したattributesの存在チェック」と「記述したvalidatesの実施」が実行されます。ため、executeにはいわゆるガード節を最低限にでき、本来のロジックの記述に集中できます。
まとめ
以上、簡単にActiveInteractionの使い方を紹介しました。
これを利用することで宣言的に引数を記述でき、呼び出し側と呼ばれる側、双方の記述を簡素化できます。
こういったgem(ライブラリ)を利用することで、実装の見通しをよくし、「正しくつくる」ようにできればと思っています。
Photo on Foter.com
この記事もどうですか?
-
6年目の「正しいものを正しくつくる」
ギルドワークス立ち上げて5年。2019年4月1日から6年目に入ります。 この5年をふりかえってみると、大事なことは何なのか改めて気付かされます。この会社を立ち上げたときに描いた 「正しいものを正しくつくる」 この一点に、やはり自分の思いは回…
- 正しいものを正しくつくる
- 越境
- 月と人狼
-
月と、人狼。 第07回「チーム作りの四方山」
月と、人狼。 第07回「チーム作りの四方山」 の話です。 「月と人狼。」の背景は 市谷と中村洋の2人が、毎回テーマを決めて語り合う場を始めました。 に書いているので、よければ読んでみてください。 第8回は 「チーム作りの四方山(続編)」 を…
- 正しいものを正しくつくる
-
価値を見定めるための実験としての「価値探索」とは
ギルドワークス市谷です。 新しい事業、あるいはそれを実現する新しいサービスを立ち上げる。企業においてであれば経営企画部や新規事業創出室といった組織の一員として、あるいはその上席者としてこのミッションに取り組むにあたり、どのようなアプローチが…