あなたがしたいのは”転職”?それとも”転社”?
人材流動性の高まり という言葉の通り、毎月のように多くのディベロッパー、エンジニアが転職して、新天地に旅立っていくのを見聞きします。ある人はSIerから事業会社の中のWebサービスへ、またある人はソーシャルゲームへ、またある人は起業するといった感じで旅立つ先は様々です。
このような転職話を見聞きしたり、転職の相談をされるたびに思うことは「”転職”をしたいのか?それとも”転社”をしたいのか?それともその両方なのか?」ということです。
2つの「転職」
言葉は同じ転職でも、 転職 と 転社 の2つがあると考えています。このエントリで使う「転職」は言葉の通り「 職を変える 」ことで、エンジニアがマーケッターになったり、デザイナーがエンジニアになったりすることを指します。
転社は「 ほぼ同じジョブのまま会社を移る 」ことを指します。A社でフロントサイドのエンジニアだった人がB社に移っても同じくフロントサイドを主戦場とする場合です。
「転社」と共に「転職」ということもあります。A社ではフロントサイドが主戦場だった人が、B社ではインフラエンジニアになった場合、転社でもあり転職でもあるとなります。転職と転社は排他ではなく、「転社はしたけど転職はほとんどしていない」というケースもあります。逆に「(社内での異動など)転社せずに、大きな転職をした」というケースもあります。
転社の場合に期待されること
受け入れる組織やチームからは、プロフェッショナルとしてのこれまでの経験や組織にとって新たな知見といったある意味、 即戦力であること を期待されることが多いと思います。年齢が若い場合はポテンシャル採用もありますが基本的にはそのプロフェッショナルの腕前を期待されることが多いかと。
「郷に入れば郷に従え」という諺もありますが、その点から「今回の状況なら、(自分が経験してきた)こういうやり方もあると思う」といった発言や振る舞いをすることが期待に沿うことかもしれません。
ただ「前の職場はこんなの当たり前にやっていたのに、なんでこの職場ではできないんだ」といった形で比較するのは注意です。
「郷に入れば郷に従え」を強く意識しすぎるあまり、これまでの経験や知見を活かすことができず、お互いもったいない状態になっているパターンを見かけてきました。
転職の場合に期待されること
元の職と新しい職の役割・スキルなどの重なり具合や年齢などにもよりますが、(同じ職で転社をした場合に比べ)即戦力として求められることは少ないと思います。
その新しい職でのこれまでの当たり前を壊すような何かや、これまでの職で得た経験や考え方を今の職と掛け合わせたることでのブレークスルーを期待されることもあります。転職の度合いが高いほど、「 その職における当たり前を破る 」ことを期待されたりします。
転職の場合、新しい知識を着実に習得しながら、これまでの経験などを抽象化することでその職でどのように活かすことができそうかを考えてみると良さそうです。
「これまでの現状を打破する」という共通の期待
本当に人出が足りなくて猫の手も借りたいという場合もあるかもしれませんが、多くの組織・チームの場合、大きく成長できる人材を求めています。そういう場合、「 これまでの現状を打破する 」という 変化 や化学反応を期待されています。
まずは組織・事業・プロダクト・チームなどそれぞれで目指す目標やあるべき姿を的確にとらえ、そこに足らないことを把握します。その上で、転社であればこれまでの知見との化学反応を起こすように、転職であれば抽象度を挙げてこれまでの仕事のやり方を持ち込むことはできないか?などを、「郷に入れば郷に従え」で萎縮するのではなく、一歩踏み込んで行けば、きっとその転社、転職はいい方向に向かっていくのではないでしょうか。
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